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2007/03/14

あったなー、そんなこと。

マッチャーがまだ具無しの焼きソバばっかり食べてた貧乏学生だった頃、当時付き合ってた彼女から夜中に電話があった。
出てみると、今まで聞いたことがない暗い声で、

「今日は大事な話があるの…」

と言ったきり、彼女は口をつぐむのだった。

「なに?どうしたの?」

何度マッチャーが尋ねても彼女は何も答えない。
その日はひどい土砂降りで、受話器からは路面に打ちつけられる雨音だけが延々と聞こえていた。

…どれぐらい時間が経っただろうか?

マッチャーはその間、ぐるぐる頭を働かせながら様々なケースを想定していた。
この重た〜い沈黙に見合うケースをである。
で、一つの結論に至ったわけだ。

「妊娠だな…」

その時、マッチャーを襲った異様な感覚をどう表現しよう…。
内蔵という内蔵がず〜〜〜〜〜んと腹の底まで下がっていく感じ?
とでも言えばいいだろうか。
とにかく瞬時に血の気がサッと引き、続いて嫌な汗がじわ〜っと全身を覆い、そして目の前がクラクラしてしばし思考が停止した。
無理もあるまい。
これまで『大学』という囲いの中でのほほーんと生きてきたバカ学生が、突如、『超現実』という名のメガトンパンチをテンプル直撃で受けたのだ。
そりゃ、思考も停止するさぁ。
しかし、『重たいものは率先して人に持ってもらう』が信条のひ弱なマッチャーでも、一応、男だ。
例え頭が真っ白でも、なんとか再起動してなけなしの包容力を見せねばならぬ。

「覚悟してるよ。はっきり言って」

マッチャーがパサパサに乾いた唇でそう言うと、ついに彼女が沈黙を破る。

「…別れて欲しいの」

マッチャーは「なあんだっ」って言った。
思わず言った。即座に言った。むしろ、かぶせるように言った。
で、彼女に耳を疑われた。
でも、なあんだはなあんだ、である。
あとの会話はよく覚えていない。
陽気なカリビアン的なテンションで、「いいよ、いいよ、全然オッケ」と電話を切ったような気がする。
「もう、びっくりさせないでよー」
そんなことも言ったかも知れない。
「もう、部長もお人が悪い」
そんなことはさすがに言わなかったかも知れない。
けれどその夜、テレビでイカ天を見たのだけは不思議と覚えている。
相原勇の「次はこのバンドだいっ!」である。
宮尾すすむと日本の社長の『二枚でどうだ』って曲、感慨深かったなー。

今日もいい天気ですね。では、仕事に戻ります。

じゃ、シーユー。

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