« リンチな年忘れ。 | トップページ | 月末のマッチャー定例行事8 »

2007/12/30

2007年の俺、ファイナル。

みなさまにおかれましては無事仕事納めも済ませ、今頃の〜んびりお過ごしのことと思います。

つか、年末ぐらいのんびり過ごした方がいいっスよ絶対。

余韻っつうのかなあ……今年一年の感慨にどんより耽りつつ、来るべき新年を何をするでもなくホゲホゲ〜っと迎えるのがマッチャーの理想でございます。

さて、それではここで本職のお芝居の件について軽く振り返ってみようかと。

今年は三本のお芝居をやらせていただいたマッチャー。

5月にPARCO劇場で、稲垣ゴローちゃん主演の『魔法の万年筆』を。
10月に赤坂レッドシアターで、真心一座身も心もの第二章を。
そして11月の末から12月の半ばに同じくレッドシアターで、水野美紀嬢が立ち上げたプロペラ犬の旗揚げ公演を。

おかげさまで一本一本、とても思い入れ深い公演となりました。

SMAPメンバーとニューヨークを舞台にした華やかなコメディで共演したかと思えば、気心知れた小劇場チームで立ち上げた一座による渾身の新作を二年ぶりに演出し、返す刀で、何を思ってかメジャーフィールドから小劇場界に果敢に飛び込んで来たスーパー男前女優と二人芝居が出来たわけですから。

やっぱ、単純にいろいろやれるのが一番の贅沢だと思うんですよね。

もともとが小劇場という、金にならないインディーズ出身の演劇人だからして、じゃあ、なぜ金にならないことを何年もやり続けてこれたかって言うと、純粋に自分が面白いと思うことを倫理的・政治的なストレスを一切受けること無く、自由に際限なくぶちかませたからでして、例え立派な商業演劇から有り難いことにお声をかけてもらえる身分になったとしても、それだけやってちゃクリエーターとしての根っこが揺らぐっていうもの。

自分が10年間HIGHLEG JESUSでやってきた、人から見たらただの愚行凶行にしか見えないキャリアの積み重ねこそが、どんな仕事をする上でも現在マッチャーの基盤となり個性となり、プライドとなってますからね。

もちろん商業演劇には商業演劇の楽しさがある。
素敵な出会いが一杯ある。

それはそれで十二分に味わいつつも、プリミティブな表現欲求に歯止めをかけることなく、本当に好きなことゆえに一切の妥協を自分に許さない小劇場公演は、マッチャーにとって生命線だったりするのだす。

今年は自分の中でそんなバランスが上手に取れた実り多き年だったと思う。

真心一座は、“シリーズもの”というジャンルはチラホラあれど、芝居としてはあまり例を見ない完全なる“続きもの”なため、二年ものブランクを経て観客に充実した作品を届けるのはとんでもなく大変だったりもしたが、ゲストの相島さん、(高田)聖子さん、そして一作目に引き続き誰一人欠けることなく参加してくれたガヤメンバー、そしてそしてやっぱり一作目から深く携わってくれたスタッフさん達の類い稀なきスペシャルなお力を拝借して、マッチャー的には非常に満足の行くと同時に非常に忘れ難いお芝居となった。

ま、ハードルが高い方ががぜん燃えるタチなんでね。

千葉さんも自身で本を書いておきながら、バスタオル一丁でワニとマジ格闘する気概を見せてくれたし、座長の村岡さんは相変わらず座長らしくなく、パンフの売れ行きを危惧して終演後自ら物販エリアで売り子さんをしてくれたし、にぎやかしの坂田は今回も本当に一座をよくまとめてくれた。

近いうち発表出来ると思いますが、第三章の概要も急ピッチで決まってきておりますので、楽しみに待っていて下さいませ。
次回は二年も開けずに、なんとかいいタイミングでやれればと思ってますんで。

そして最後にプロペラ犬

初舞台の新橋演舞場を経て、これまで様々な大劇場に立ってきた水野美紀嬢が、なんと自らが演劇ユニットを発足し、ビヨーーーーーンとこっち側(小劇場界)に飛び込んで来たのであります。

有名タレントが鳴り物入りで舞台を踏んだり、小劇場出身の役者が大舞台でメインを張ったりなんかは、昨今全く珍しいことではなくなりましたが、こんな逆輸入っつうか逆噴射してる女優さん、完全に業界初だと思います。

本当に憧れてたんだって、小劇場の舞台に。

そんな女優さんが一念発起して立ち上げたユニットの旗揚げ公演に参加するにあたり、小劇場の先輩であるマッチャーが固く心に誓ったことは、

「これ、絶対にコカさねえ」

やっぱ微力ながら応えたいじゃないですか、彼女の心意気に。
それがマッチャーなんかを誘ってくれた彼女への僅かばかりの恩返しだと思ったし。

「小劇場、つらい…」

なんて、この世界の魅力をしこたま知ってるマッチャーや入江さんがついてて、そんな思い絶対にさせたくないじゃないですか、小劇場の熱き魂に誓って。

確かに美紀ちゃんの挑戦は、一つ間違えれば無謀ですよ。
二つ間違えれば女優生命の危機ですよ。
なにせ、逆噴射してるわけですから。

でも、いかなる困難があろうとも、シンプルに「好きなことをやる!」に向かえる人間のパワーと輝きたるやとてつもないものがありますからね。
第一そういう思いって、自分が若い時に小さな劇団つくって散々やってきたことだから、その感覚はよぉく分かってるし。
そういう意味では進んで来た道はまるで逆だけど、完全に我々は“同種”なわけで。

美紀ちゃんや作家の楠野さんの思いとマッチャーや入江さんの思いが合わされば、そりゃなにせ旗揚げということで、稽古場ではかなり七転八倒もしましたが、必ずや面白い舞台になるのでは……みたいな確信がマッチャーには常にあったんですな。

で、肝心の舞台の内容は非常にシュールなバカコント集が主でしたが、なんとか次回作にいい形でつながるものにはなったのでは…と思います。

美紀ちゃんの切なる思いがきちんと客席に届いているのが、舞台に立っていてもひしひしと感じられましたから。
本番中は、観客に、そしてこれは有名女優としては甚だどうかと思いますが、まるで小劇場の神様に祝福されているような、そんなミラクルな時間を日々過ごしていました。
それに旗揚げ公演で連日補助席や立ち見が出るなんてそうそうないですよ!
大阪とか川崎も全ステージ、客席パンパンでしたからね。

真心一座が第二章をなんとか無事に乗り切れたとはいえ、稽古場での芝居作りは四苦八苦した通り、なにせ続けるとなると二回目の公演というのはいろいろと難いものです。
けど、プロペラ犬だったら前回の経験をもとに、必ずや更なるミラクルを起こせるはずだと心から信じています。

みなさんも応援のほどよろしくお願いしますね。

そんなこんなで悔いが残る余地もないほど、たっぷり今年を振り返り終えたマッチャー。

演出家・俳優・脚本家、そして今年は映像監督をやらせてもらったり、インチキな小説もどきも出版させてもらったりと、そもそもマッチャーがいろんな分野を行き来してるのは、決して“オールマイティ”みたいなカッコイイもんじゃなく、単に一つのことが出来ない性分なだけなんス。

遊び場は多ければ多いほど楽しいじゃない?

いい年ぶっこいた大人がどれだけどん欲に方々で遊び倒すことが出来るのか…それが後にも先にもマッチャーの命題なのであります!

…って、そんな大袈裟にこれまで一度も考えたことないけど。

ま、これからも好きなことを好きなタイミングで好きなだけやっていきますよ、性に合わねーことはもともと出来ねータチだし。

やー、来年も楽しい仕事や素敵な出会いが一杯あるといいなー。

特に舞台はね。やっぱめちゃめちゃ好きですからね、舞台。

前を向いて頑張ってりゃなんとかなるでしょうよ。

世の中きっとそういうもんでしょうよ。


じゃ、シーユー。

|

« リンチな年忘れ。 | トップページ | 月末のマッチャー定例行事8 »