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2008/11/18

俺なりだけど星屑のステージ。

で、だ。


先日、息子が通う幼稚園のお楽しみ会で即興劇『三匹のこぶた』に挑戦したマッチャー。

キャストはたったの4人。つか、4匹。

心優しい子豚3兄弟、そして子豚達を狙う危ない狼。

それを簡単な打ち合わせだけで朗らかな劇に仕立て、園児達とその父兄に楽しんでもらうというのがこの会の趣旨である。


初対面のお父さん達とアドリブ劇…。


しかも本番開始時刻30分を切っている時点で、まだ自分の役すら振り当てられていない…。

そのハードルの高さに思わずクラクラする俺。

だが、そこは自ら志願しての特攻だ。

この未知なる経験は必ずや自分の財産になるだろう。
当たって砕けろスピリットで、とにかく頑張るのみである。

で、親子ランチの合間を縫って、“軽いリハーサル”と称し別室に呼び出された即席劇団を待ち受けていたのはいきなりのキャスト発表。

笑顔の先生が開口一番こう言った。

「私の勝手なイメージで役を振り分けました」

で、続けた。

「河原さん、狼でお願いします」


…や、先生、ちょっと待って。ちょっと勝手過ぎやしませんか?俺ってどういうイメージ抱かれてるんスか、息子の担任の先生に?!…と言いたいところだったが、他のお父さん達からも全く異論がないので、

「頑張りまーす」

と狼のお面を受け取るばかりのマッチャー。

すると先生は、「ここに三匹のこぶたの絵本があるので、あとは皆さんにお任せしますね」と園児達のお世話係に戻っていくではないか。

結構な丸投げ…。

とはいえ、開演まであと15分。
初対面の4匹は緊張する暇もないほどに、ざっくりと段取りを組み、軽くセリフ合わせをし、早々に本番とあいなった。

簡易パーテーション裏で一人出番を待つマッチャーは考える。

とにかくこの手の舞台はアレだろう、照れるあまりに萎縮して演じるのだけは御法度だろう。けれんみだ、けれんみ。子供の目は正直だ。加えて集中力に激しく乏しい。興味を失えばたちどころにしょっぱいショーには見向きもしなくなる。一秒たりとも気が抜けないぞ。これはある意味、お父さんと子供達の戦争だ…。


「ぶひぶひ」言いながら登場した子豚役のお父さん達の滑り出しは上々だ。
小粋なアドリブなどを挟みながら温かく客席に迎えられている。
これはどんな舞台でも同じだが、シーンシーンの積み重ねであくまで一本の物語。前のシーンの出来が良いと次に登場する演者も自然といい波に乗れるのだ。

さあ、子豚達が三々五々それぞれが建てた家に入っていった。
いよいよマッチャーウルフの登場である。

鼓動が高鳴る……手の平にじんわり汗がにじむ……こんなアウェー感、初めてだ……みんなが期待に満ちた瞳で劇を見つめている。園児も父兄も先生も、奥さん、そして息子も……ああ、果たして息子は楽しんでくれるだろうか……とってもシャイなヤツのことだ。「こんなお父さん見たくなかった!」と父としての尊厳が揺らいだらどうしよう……いや、大丈夫。本職。俺、これ、本職。平常心で臨めばきっといいステージになるハズさ。だって先生に託されたんだ。自分では全く自覚はないが、きっとハマり役なんだ狼は……とにかく無心で狼になろう。北島マヤばりに役になり切り、「河原パパ…恐ろしいパパ」と父兄の方々に言わしめるんだ……そう、俺は何人たりとも手がつけられない森一番のホットな狼。誰もオイラを止められないぜ!

満を持して跳ねるように登場したマッチャー。

で、これが奥さんが激写したその瞬間。



081116_14010002


…遠いよ。

あまりにポっツーンって感じで、これじゃあ練習風景に見えればまだいい方で、見ようによっちゃあ軽い変質者だよ。

ちゃんといたのよ、この前にたっくさんの園児や父兄の皆様!

で、案外ウケたのよ!園児やその父兄の皆様に!

マッチャーが、「ガウー!」ってパーテーションから出て来た瞬間、

「あ、狼だっ!狼だっ!」

って園児達、マッチャー、指差してキャーキャー言ってたもの。

子豚達が建てたワラやら木の枝やらの家々をマッチャーウルフが、

「ふーーーーーっ」

って、大きな息を吹きかけ粉砕し、「ウラー!」って子豚達を追いかけると、

「逃げろー!逃げろー!」

って、園児達、結構ハラハラしてたもの。

ラストシーンで、煙突から侵入したマッチャーウルフが、子豚達が用意した大鍋(厚紙に鍋の絵を描いたモノ)の中に落ち、「なっ、なぜ、こんなところに大鍋がっ?!! しかも中には煮えたぎる熱湯がっ!!! こわっぱどもめ、さては仕組みおったな!あちち!あちち!」と苦しみ悶えて息絶えると、「ワーっ!」って拍手されたもの。

なのに、奥さん、どんだけ引きで見てたんだっていう。

かぶりつき!かぶりつきで見てよお!おまけに写真、これ一枚だし…。


でもね、ちゃーんとご褒美はありました。

カーテンコールでお辞儀してたら、息子がね、マッチャーのところに「パパー!」って笑顔で駆けて来てくれたの。

やー、泣きそうになった、マジで。

他のお父さん達のところにも、もちろん子供は行ってたけどね。

恥ずかしがり屋の息子は、まあ、来てくれないんだろうなあって勝手に思ってたんだ。

共演させて頂いたお父様方、先生、そして温かく観劇して下さった園児ちゃんと父兄の皆々様、本当にありがとうございます。

おかげでとっても思い出深い舞台となりました。

機会がございましたら、またぜひ共演させて下さい。わりと本気で楽しかったです。


ちなみに。

ほっと一息つきながら戻ってきたマッチャーへの奥さんの第一声は、

「もっと子供に伝わるボキャブラリーで演技しないと」


……普通にダメ出しじゃん。


じゃ、シーユー。


 

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